2014年1月1日
(私の宝石の師匠、潤二氏より)
トルコ石を色石ソーティングにだしたら「含浸処理」の結果がでました。
私が鑑別の勉強を始めた当時は、アメリカの西部で採掘されているトルコ石は
多孔質でボロボロと崩れ易く、そのもろさを補うために水ガラスで固められている
などと聞き及んでいました。
その頃は、天然トルコ石の定義が理解できず、水ガラスというものが理解できず、
最近になって(無色透明材)を意味していたのだろうと考えています。
新訂版の近山晶氏の「宝石.その美と科学」を見ると、樹脂加工や、着色樹脂加工、
プラスチックで粉末のトルコ石を固めた再生トルコ石の話が詳しい。
その後、イギリスのFGGAの資格取得のコース受講のさいに、
無加工の天然トルコ石を捜したところ、やっとアフガニスタン産の
緑味の強い原石を入手したことを思い出します。
表面がざらざらしたいかにも多孔質の感じが出ていました。
中国ではトルコ石のことを「松石」ということを近山先生の本で知り、
かってに中国産のトルコ石は緑色であろうと想像して
なんとか手に入れたいと留学生の方に頼んだ記憶があります。
いまだに未入手です。
化学組成:CuAl6(PO4)(OH)8・5H2O
硬度:6.5~7.5
結晶系:三斜晶系、通常は潜晶質
「鑑別」
鉱物名:天然トルコ石
宝石名:トルコ石
屈折率:1.62(塊状石)
複屈折性 二軸性(+) 透明結晶石は稀
多色性:
蛍光性:(長波) 青白色蛍光 または変化なし
(短波) 同上弱
分光特性:460、432nmに弱いライン(反射法)
拡大検査:ライモナイトインクルージョン→ネット入りトルコ石など
1 通常、光沢の改善を目的としたワックス加工が行われています。
2 光沢および耐久性の改善を目的とした透明材の含浸処理がおこなわれています。
3 色および耐久性の改善を目的とした有色材の含浸処理がおこなわれています。
3の有色材の含浸処理は、本来の色とまったく異なる色に加工しているために
着色処理として取引上も明示されるべきと考えます!
Posted by 買取専門店の熊本の質屋・質乃蔵 at 00:08 / 宝石識別方法 コメント&トラックバック(0)
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