2014年1月1日
「店頭に持ってきたお客様の宝石で、何の石ですか?」という質問を受けました。
表面から見ると、紫味を帯びたブルーですので、
まずタンザナイトかなと思いましたが、石をかたむけると無色に見えるほど色抜けしました。
帯紫青色の石で多色性顕著ときたら、アイオライトがすぐに思いつきます。
記憶をたどると、ウォーターサファイアの別名を持つほど淡い青色の宝石で、
三色性(強)帯紫青色:淡青色:淡灰黄色です。
近山先生の本に、この淡灰黄色が無色に近いと書いてあります。
これと関連してブルーサファイアを横から見て色抜けするものがある理由を
聞いた記憶があります。
ブルーサファイアの色はFeとTiの含有によるコロイド着色と教わっていましたが、
現在は、原子の配置からくる「格子欠陥」による色の選択吸収でしたかね?
古い知識ですので、ぼろが出ないうちに屈折率を測って確認しましょう。
鉱物名はコーディエライト
化学組成:マグネシウム、鉄、アルミニウム珪酸塩
屈折率RI:1.53~1.55 複屈折量DR:0.008~0.012
屈折率がアメシストに近似するので注意と石別カード
に書いていました。
複屈折量の変化を良く見なさい!正号性と負号性の違い!!
アメシストはRI:1.54でDR:+0.009で、
アイオライトはDR:-.009でしょうと怒られた記憶がよみがえってきました。
理論より実践!多色性をチェックすると見分けは容易でしょう。
アメシストは二色性(弱)です。二色鏡ですぐ分るはず!
私の宝石の師匠:潤二師匠より
カラーフィルターを使ってアクアマリンを識別できる方法
Posted by 買取専門店の熊本の質屋・質乃蔵 at 00:06 / 宝石識別方法 コメント&トラックバック(0)
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