2014年1月1日
紫外線は肉眼で見ることはできません。
しかし蛍光性をもつ物質に照射したとき蛍光を発します。
その蛍光は、紫外線とは異なって肉眼で見ることができる光となります。
ある種の宝石は この紫外線の照射によって特別の蛍光色を発する為に
宝石鑑別に有効なことが多いのです。
紫外線は100~380nm(ナノメーター)の波長と言われています。
このなかの365 nmの波長を「長波紫外線」と呼び、
253.6 nmの波長を「短波紫外線」と呼び、
それらの紫外線に対する蛍光反応が宝石鑑別に利用されます。
蛍光管の光をある種の特殊なフィルターを透過させることによってこれらの波長は作られます。
暗室を作らなくても容易に検査できるように、紫外線両用ボックスが作られました。
以下に私が良く使う紫外線検査の利用法を書いておきます。
着色成分にクロム(Cr2O3)を含むために,長波紫外線に対して、
強い赤色蛍光(鮮赤色蛍光)を示す。
タイ産ルビーのような暗赤色の石は、含まれる鉄分によって蛍光が抑えられて
暗赤色蛍光を呈する。
また、合成ルビーはかなり鮮赤色蛍光が強く、かつ短波紫外線に対して
やや表面が白く濁っているように感じると教わりました。
ただしベルヌイ法の合成ルビーには有効であっても、
新しいフラックス合成ルビーには難しいかもしれません。
最近の加熱処理された天然ルビーも鮮赤色蛍光が強いそうです。
ご注意ください!
短波紫外線に表面が白濁気味の蛍光。今までのベルヌイ法の合成では、
かなり有効でした。
ブラックとホワイトオパールは長波紫外線に対して、
青白色蛍光と燐光という、特徴ある蛍光反応です。
ピンクトルマリンやピンクトパーズ、クンツァイトなどと異なり
かなり強い赤色ないしピンク色の蛍光を発する。
ストロングブルーの蛍光を発する石の検査は長波を使用。
ギルソン、チャザム、クレサンベール等のフラックス法合成は長波には鮮赤色蛍光短波には同上弱の反応。
ただしロシア製などの新しい熱水法合成エメラルドは変化無しがある。
この両用ライトは使いやすいが高価なので、ブラックライトやブルーの発光ダイオードを利用する方法を
よくお話していますが、かなり簡易的であって正確性に欠けることがある。
Posted by 買取専門店の熊本の質屋・質乃蔵 at 00:04 / 宝石識別方法 コメント&トラックバック(0)
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